手乗りワサビの育て方④
私は一つ、大きな間違いを犯してしまった。
綺麗な環境で、愛情込めて育てられていた
手乗りワサビことウラジミール。
はっきり言おう、亡くなってしまったのだ。
いや、私が殺したと言って良い。
私が殺してしまったのだ。
それは旅行中に起きた出来事だった。
餌も適量置いて、万全の状態で出掛けた。
これなら少し目を離していても大丈夫。
そう思っていた。
しかし、初めから、そう、全ての初めから
万全ではなかったのだ。
手乗りワサビの育て方①にて記載したが、
清潔な砂がなかったので、沖縄土産の
星の砂を使っていた。
しかし彼は、大きめの星の砂に刺さり
その怪我が原因で亡くなったのだ。
私が帰宅した時にはもうすでにもう虫の息。
動物病院に駆け込んだが、、
間に合わなかった。
私は、私と沖縄を許せない。
確かに、かつて沖縄修学旅行に行った際も
楽しい記憶が殆どない。
やはり沖縄ばかりは敵である。
仮想敵国沖縄。
無念の敗北である。
沖縄の旅行の写真で残っているものといえば
これくらいしかない。
私は二度、沖縄に負けたのだ。
こうして、私の妄想飼育日記は
架空の生命と共に終わりを迎えたのである。
-fin-